「仕事に私的感情を入れるのはよくない」とタブー視されることが多いですが、例えば、クロスを選ぶ時、お客様から『こちらとこちら、どちらがいいですか?』と聞かれます。お客様にとっての最適を選ぶのは勿論ですが、一人の生活者に戻って『私ならコレ』という選び方でお答えもします。
病気で治療法に悩んだ時は「医者へこんな質問を投げかける」と言うのを聞いたことがあります。それは「先生は家族にこの治療を受けさせたいですか?」という質問です。医者という立場ではなく、一個人へ問いかけてみる。
中古物件の内覧の際も「実際に自分がこの家に住まうならどう?」と、毎回、私的な感情を入れながらご案内します。
衣・食・住の中で一番高価なお買物に関わる以上「他人事」ではありません。その方の暮らしの質そのものも変えてしまうのです。そう考えると、私的感情を入れながら仕事をすることは、決して悪いことばかりでは無いのではと思うのです。